これからのエリート教育 (2001年)

これから子どもさんにどんな教育を受けさせますか

ご参考までに、最近私の調べた事を記してみたいと思います。

本題の内容は幼稚園教育よりも上の中・高生位の教育に関するものですが、教育は一生の課題です。

これからの時代は子どもさんの教育を海外で受けさせたいという方もあろうかと思います。

とすると、先ず言葉の問題になります。

日本には無い教育には準備に数年以上は掛かりましょう。

日本ではエリート教育が難しい

最近、何か事に当たって、日本の指導者層の発言が自分の立場や周辺の利益のみを重視した狭量な発言が余りにも多く、リーダーとしての資質を疑いたくなるような場合があります。

現在の日本の混迷は指導者不在がもたらしたものと考えらています。

日本にもエリート教育を受けた人が是非欲しいという方も出ておられます。

(元アサヒビール社長 樋口広太郎氏)

ご存知のように現在の日本の教育は心身共に最も成長の早い中学・高校生の時期に受験競争に明け暮れし、有名校へ入る為の競争に終始し、受験を勝ち抜く技術のみが助長されています。

従って社会に出ても期待されるような指導者には育っていないと言われます。

真のエリートとは社会の各分野での指導者、奉仕者であり、極めて確固たる倫理観と社会奉仕の精神を兼ね備え、一般大衆の不興を買うことも恐れず、憎まれても信念を曲げず、更には国家間の利益や思惑が複雑に入り組んだ駆け引きや地球親模の資源環境問題など日常の感覚だけでは処理できないような課題の解決にも取り組んで行けるスケールの大きな人材だそうですが、そこには常に重大な社会的責任と義務が伴うものです。

日本にはこのような人は殆ど見受けないとのことです。

(鈴木孝夫慶応大名誉教授)

アメリカにおけるエリート教育

 アメリカのエリート教育は学問的にも思想的にも最も急速に発育する十代後半をターゲットにエリート教育を行っているようです。

アメリカには多くの名門の大学をご存じでしょうがその前段階に位置付けられているのが300年の歴史を持つボーディングスクール。

それがエリート教育の基盤をなしているようです。

全寮制で大都会から離れた自然豊かな環境に作られたキャンパスで知識や技術よりもスピリッツの教育、すなわち、倫理、哲学、宗教、歴史、奉仕の精神などが先ず教育され、さらにそこに本人の得意とする分野の学問、スポーツ、芸術などの教育が付加されるようです。

しかも大量の課題が与えられ、日本の大学生レベルの教育がなされると。

そこへは世界各国から子弟が集まって来ており、特に多いのが香港、サウジアラビア、韓国、タイ、インドネシア等のアジア諸国のようですが日本からは極めて少ないそうです。

このような教育を受けた青少年はやがて半分位がアメリカにとどまり、そこで活躍するようになるそうです。

つまり、世界中からアメリカを目指して優秀な人材が集まって来る仕組みが出来ていてアメリカは益々強くなって行く様になっていることが理解できます。

以上のようなことも、私たちは視野に入れて幼児教育を常に考えております。

 

(石角完爾著「アメリカのスーパーエリート教育」㈱ジャパンタイムズ参冊)OASYO15-57

バックナンバー
創刊号 カオル幼稚園はこのように考える。(1979年)
2 カオル幼稚園はこのように考える。(1980年)
3 躾について (1981年)
5 21世紀を担う子供たちに明るい社会を (1983年)
9 この10年を顧みて (1987年)
10 子供の将来には無限の危険性も (1988年)
11 家庭での子供達の生活空間を考える (1989年)
12 玩具あれこれ (1990年)
13 子供の食習慣と栄養 (1991年)
15 子供達の自主性を育てよう (1993年)
16 やり直しがきかない子育て (1994年)
17 感性をはぐくむ (1995年)
18 遊びについて (1996年)
19 自然に遊ぶ、大地に学ぶ (1997年)
20 父親に期待される子育て (1998年)
21 女性の社会進出と子育て支援 (1999年)
22 思いやりの心を育む (2000年)
23 これからのエリート教育 (2001年)
24 子育て環境は8歳までが勝負 (2002年)
25 メディア漬けから子供たちを守ろう (2003年)
26 これからの子育て支援 (2004年)
27 ことばの教育 (2005年)
28 食育について考える (2006年)
29 真っ当な人間に育てる (2007年)
30 創立30周年にあたって (2008年)
31 「自然」は最良の教師 (2009年)
32 本を読む習慣を付けよう (2010年)
33 群れ遊びについて考える (2011年)
34 こどもには沢山の体験を (2012年)
35 美徳を取り戻そう (2013年)
36 国際化とこども教育 (2014年)
37 子ども・子育て新制度を考える (2015年)
38 リーダーを育てる (2016年)
39 データから見た幼児教育の重要性 (2017年)
40 人工知能時代を生き抜くこども達 (2018年)
41 これから世界的に活躍出来る人に (2019年)
42 カオル幼保グループの考え方 (2020年)
43 緊急事態宣言下に考える (2021年)