これから世界的に活躍出来る人に (2019年)

日本の女子高生が全米最優秀女子校生として表彰される

   これから紹介する子育てのサクセスストーリーは日本人の母親がご自分の子供さんを育て、米国の女子高校生が競って挑戦する大学奨学金コンクールで全米最優秀女子校生として表彰される迄の子育て記録です。米国の大学の授業料は高額なので多くの学生さんが挑戦するそうです。そのコンクールでは知性や才能、指導力などが競われるようです。子育て中の皆様の参考になればと思います。  

全米女子校生奨学金コンクールの五つの審査基準

   このコンクールではコミュニケーション力(25%)や特技(20%)、体力(15%)、自己表現力(15%)などが審査されます。そこで問われるのは特に「正解の無い問題に自分なりの答えを見つけて解決する力、つまり、自分で考える力でした」とお母さまは指摘しています。

   このお母さまがお嬢様を育てる環境では「エリート教育」とは能力を学力テストで測れる英才教育ではなく、対話力、自制心、責任感、といった「非認知能力」を高め、社会に貢献できる人材を育てると言うお考えが基本になっていたようです。これからは社会情緒的スキルの育成も益々要求されて来るようです。

この子供さんに対し、お母さまはどのような教育方針で臨まれたのでしょうか

  以下はお母さまとお嬢様の毎日の活動の記録などから基本的なお考えや行動の基本等を拾い上げたものです。  

(1) 毎日20分の空想
(2) 子供時代は子供らしく
(3) 自分で考える力をつけさせる
(4) 自分の意見を伝える力をつけさせる
(5) 実行力をつけさせる
(6) 自分の優れているところを更に伸ばすようにする
(7) コミュニケーション能力をつける
(8) 自信をつけさせる
(9) 自制心をつけさせる
(10) 協働力
(11) 責任感等の醸成に力を入れる
(12) 夕食を 家族で取りながらその日一日のことを報告しあう
(13) 「正解の無い問題にどう立ち向かうか」を自ら最良の答えを見つける必須の思考法にとりくませる
(14) 一日一回子供が好きなことをする時間を設ける
(15) 精神的回復力(折れない心)をつけさせる

 

 ※1 参考資料 「世界最高の子育て」ポーク重子(※2)著 ダイヤモンド社

  ※2 福島県出身。高校卒業後、東京の大学を経てロンドンの大学院に留学。アメリカ人のご主人と結婚を機にワシントンDCに移住。

 

バックナンバー
創刊号 カオル幼稚園はこのように考える。(1979年)
2 カオル幼稚園はこのように考える。(1980年)
3 躾について (1981年)
5 21世紀を担う子供たちに明るい社会を (1983年)
9 この10年を顧みて (1987年)
10 子供の将来には無限の危険性も (1988年)
11 家庭での子供達の生活空間を考える (1989年)
12 玩具あれこれ (1990年)
13 子供の食習慣と栄養 (1991年)
15 子供達の自主性を育てよう (1993年)
16 やり直しがきかない子育て (1994年)
17 感性をはぐくむ (1995年)
18 遊びについて (1996年)
19 自然に遊ぶ、大地に学ぶ (1997年)
20 父親に期待される子育て (1998年)
21 女性の社会進出と子育て支援 (1999年)
22 思いやりの心を育む (2000年)
23 これからのエリート教育 (2001年)
24 子育て環境は8歳までが勝負 (2002年)
25 メディア漬けから子供たちを守ろう (2003年)
26 これからの子育て支援 (2004年)
27 ことばの教育 (2005年)
28 食育について考える (2006年)
29 真っ当な人間に育てる (2007年)
30 創立30周年にあたって (2008年)
31 「自然」は最良の教師 (2009年)
32 本を読む習慣を付けよう (2010年)
33 群れ遊びについて考える (2011年)
34 こどもには沢山の体験を (2012年)
35 美徳を取り戻そう (2013年)
36 国際化とこども教育 (2014年)
37 子ども・子育て新制度を考える (2015年)
38 リーダーを育てる (2016年)
39 データから見た幼児教育の重要性 (2017年)
40 人工知能時代を生き抜くこども達 (2018年)
41 これから世界的に活躍出来る人に (2019年)
42 カオル幼保グループの考え方 (2020年)
43 緊急事態宣言下に考える (2021年)