これからの子育て支援 (2004年)

大きく変わってきた子育て環境

 最近は仕事を持つ女性が多くなり、結婚して子供が生まれるとまず大きな課題は子育てどう乗り切るかということになるかと思います。そして女性も生涯の仕事を持つ場合も少なくない昨今、現状は働きながら子育てしやすい環境でしょうか。保育園に入れるだけでも大変なのに、仮に保育園に預けたとしても、時間的に送り迎えなど現実は厳しいものがあります。また、専業主婦にしても子育ての不安やストレスが多く、或いは、子育てに疲れて虐待するなどのニュースも聞こえてくるようになりました。いま、日本は産業構造の変化、就労形態の変化、少子化の進展などで、経験したことのないような子育ての時代を迎えています。一方、国は少子化を如何に食い止めるかに躍起となっているのが現状です。

求められているものは

子供は「0才から5才位までは人格の基礎作りの重要な部分で、この間の過ごさせ方によって、将来が大きく左右される」と言われます。親としては理想に近い子育てをしたい、しかし、その経費負担は公私ともに莫大であるため、理想どおりに行かないの現実です。

幼稚園や保育園に何を期待するか

従来、幼稚園は、家庭における子供の家庭教育の補完的役割を、また、保育園は保育に欠ける子どもの家庭養育の補足的存在であったかと思います。つまり、親の代わりになって幼稚園は主に教育し、保育園は家庭的な雰囲気の中で子どもを安全に保護し、生活を守り、育て、心が休まるようにするものと考えられて来ました。今や、このような補完的な機能のみでは、社会のニーズに追いつかなくなってきたのは明らかです。

私どもの子育て支援の内容。

 私どもは子どもにとって高品質の保育や幼児教育は何か、両親にとって子育てのし易い環境とは何かを常に考えております。ただし、そこには経済的に限界があるために現時点で可能な範囲で多くの選択肢を提供したいと考えております。

すなわち、
  1) 0~3才位迄は保育園を主体とする。
  2) 3~5才位迄は幼稚園(幼児教育)を主にし、幼稚園がお休みの時は保育園で保育を行う。

これらに更に次のような環境を備えられるよう取り組んでおります。
  3) 利便性が良い。(身近に利用できる、通勤に便利である)
  4) 近くに広い遊び場がある。
  5) 近くに豊かな自然(森、畑、田圃、川など)がある。
  6) 子育てについては情報収集(交流の場であり、相談相手がいるなど)が容易である。

などを今後提供できるように進めております。

バックナンバー
創刊号 カオル幼稚園はこのように考える。(1979年)
2 カオル幼稚園はこのように考える。(1980年)
3 躾について (1981年)
5 21世紀を担う子供たちに明るい社会を (1983年)
9 この10年を顧みて (1987年)
10 子供の将来には無限の危険性も (1988年)
11 家庭での子供達の生活空間を考える (1989年)
12 玩具あれこれ (1990年)
13 子供の食習慣と栄養 (1991年)
15 子供達の自主性を育てよう (1993年)
16 やり直しがきかない子育て (1994年)
17 感性をはぐくむ (1995年)
18 遊びについて (1996年)
19 自然に遊ぶ、大地に学ぶ (1997年)
20 父親に期待される子育て (1998年)
21 女性の社会進出と子育て支援 (1999年)
22 思いやりの心を育む (2000年)
23 これからのエリート教育 (2001年)
24 子育て環境は8歳までが勝負 (2002年)
25 メディア漬けから子供たちを守ろう (2003年)
26 これからの子育て支援 (2004年)
27 ことばの教育 (2005年)
28 食育について考える (2006年)
29 真っ当な人間に育てる (2007年)
30 創立30周年にあたって (2008年)
31 「自然」は最良の教師 (2009年)
32 本を読む習慣を付けよう (2010年)
33 群れ遊びについて考える (2011年)
34 こどもには沢山の体験を (2012年)
35 美徳を取り戻そう (2013年)
36 国際化とこども教育 (2014年)
37 子ども・子育て新制度を考える (2015年)
38 リーダーを育てる (2016年)
39 データから見た幼児教育の重要性 (2017年)
40 人工知能時代を生き抜くこども達 (2018年)
41 これから世界的に活躍出来る人に (2019年)
42 カオル幼保グループの考え方 (2020年)
43 緊急事態宣言下に考える (2021年)